【おくすり】アトモキセチン錠40mg「トーワ」

アトモキセチンは国内2番目の注意欠陥・多動性障害治療薬です。選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬に分類されます。非中枢神経刺激薬なので依存・乱用のリスクや副作用も比較的少ないのが特徴です。

医薬品情報

名前アトモキセチン錠「トーワ」
種類5mg 10mg 25mg 40mg
主成分アトモキセチン塩酸塩
剤形白色の錠剤、直径8.6mm、厚さ3.7mm
薬効分類精神神経用剤
製薬会社東和薬品株式会社
アトモキセチン錠「トーワ」の情報

作用と効果

脳内の神経細胞の間で情報を伝える神経伝達物質を調節し、不注意や多動・衝動的で落ち着きがないなどの症状を改善します。
通常、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の治療に用いられます。

くすりのしおり | 患者向けわかりやすい情報

用法・用量

  • 18歳未満の場合:通常、1日体重当たりアトモキセチンとして0.5mg/kgの服用から開始し、その後1日0.8mg/kgとし、さらに1日1.2mg/kgまで増量された後、維持量として1日1.2〜1.8mg/kgを服用します。増量される場合は1週間以上の間隔をあけ、いずれの場合も1日2回に分けて服用します。症状により適宜増減されますが、1日量は1.8mg/kgか120mgのいずれか少ない量を超えることはありません。
  • 18歳以上の場合:通常、1日アトモキセチンとして40mgの服用から開始し、その後1日80mgまで増量された後、維持量として1日80〜120mgを服用します。増量される場合は1日80mgまでの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけ、いずれの場合も1日1回または1日2回に分けて服用します。なお、症状により適宜増減されますが、1日量は120mgを超えることはありません。
    本剤は1錠にアトモキセチンとして40mgを含みます。いずれの場合も、必ず指示された服用方法に従ってください。
  • この薬を割ったり砕いたりせずに、そのまま飲んでください。割れたり砕けたりした薬は目への刺激性があります。目に入ったときには、すぐに洗って医師に相談してください。また、手についた場合は、手を洗ってください。
  • 飲み忘れた場合は、気がついたときにできるだけ早く1回分を飲んでください。ただし、次の服用時間が近い場合は飲まずに、次の通常の服用時間から1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
  • 誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
  • 医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。

副作用と注意

主な副作用として、吐き気、頭痛、食欲減退、傾眠、口渇、腹痛、嘔吐、便秘、浮動性めまい、動悸、体重減少などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

後発品について

アトモキセチンはジェネリック医薬品です。

作用の仕組み

注意欠陥・多動性障害(AD・HD)は、学齢期の子供に多くみられる精神的な発達障害の一つです。集中力や注意力が欠如し、また多動性・衝動性が顕著にあらわれ、学校での集団生活や学業に支障となります。年とともによくなりますが、半数くらいは成人期にもなお持続します。
このお薬は、そのような注意欠陥・多動性障害に有効です。詳しい作用機序はよく分かっていませんが、脳の神経で働いている神経伝達物質のノルアドレナリンの増加が、集中力や注意力を高めるなど諸症状の改善に関係していると考えられています。

アトモキセチン:ストラテラ

脳の前頭前野の神経終末にあるノルアドレナリントランスポーターを選択的に阻害し、ノルアドレナリンあるいはドパミンの再取り込みを阻止することで、これらの神経伝達物質の濃度を上昇させます。なお、線条体と依存形成にかかわる側座核ではドパミン濃度は上昇せず、依存・乱用につながる危険性は極めて低いとされます。
ノルアドレナリントランスポーターにだけ結合し、その他の受容体にはほとんど作用しないので、副作用も比較的少ないと考えられます。このような作用特性から、「選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(Selective NorAdrenalin Reuptake Inhibitors)」と呼ばれています。

アトモキセチン:ストラテラ

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